居場所をください。




「ごちそうさまでした。

すっごい美味しかった。ありがと。」


「おう。」


「また作ってね。」


「しかたねーな。」


とか言いながら嬉しそうじゃん。


「とりあえず、愛翔に電話すっか。」


「あ、忘れてた。」


貴也は愛翔くんに電話をした。


「……………あ、俺。

お前熱愛ってまじ?

……………へぇ、そういうこと。

そりゃ災難だな。


……………あぁ、わかった。

じゃーな。また明日。」


けっこう手短かに電話が終わった。


「なんだって?」


「別に付き合ってねーってさ。

事務所に呼び出されて時間ないらしくて

詳しくは聞けなかったけど

なんか言い寄られてるだけっぽい。

突然キスされて、その瞬間を撮られたんだと。

たぶんはめられたって。

こんな写真が出れば彼女と思われるしな。

なに言っても。」


「そんな…。かわいそう…。」


「ま、明日撮影だし

明日詳しく聞いてくるわ。」