居場所をください。




そして30分後ー



「うわー、緊張してきた。」


いよいよ私たちの番なのだ。


「……………美鈴、こえーの?」


「いや、はじめは誰だって怖いでしょ、普通。

どんなものかわからないし。」


なんでこの人こんな冷静なの。

怖くなくてもテンション上がるでしょ。


「ふーん。もっと楽しめよ。」


……………貴也もね。


『発車しまーす!

いってらっしゃい!』


おぉ、お姉さん。

貴也のこと見すぎだよ。





それより……………

このカタカタ音がまた恐怖をそそる。


うー…


「美鈴、固まりすぎ。」


「えっ、なんで貴也はそんなリラックス状態なの。」


「これでもテンション上がってんだけど。」


「……………どこが。」


「あ、もう少しで落ちる。」


「えぇ!」


ビビる私を見て貴也は楽しそう…というより

バカにしたように笑った。


「はは、おっかし。」


もー、なんなんだ、こいつは。


「ほら、大丈夫。」


そういってさりげなく

私の手をとった。


「な。」


……………キュン死します。