居場所をください。




「あ、見ろよ美鈴。」


「んー?」


私たちはショッピングモール2階に上がり

うろうろとしています。


「……………なに?どこ?」


「ったく。」


貴也が何を言いたいのかわからなくて

結局貴也は私を引っ張り歩き出した。


「ほら。」


「……………うわー…」


それは明日発売の私の新曲のポスター。

しかも特大…。


「明日発売だもんな。」


「あ、うん…。」


これは恥ずかしい。かなり。


「…行こ。」


私は貴也の手を引っ張り歩き出した。


「照れてんの?」


「だって…。

貴也は恥ずかしくないの?

映画のポスターとか…。」


「俺は別に。慣れてるし。」


「聞いた相手を間違えました。」


そうだよね。

ずっとこの世界にいればそうなるか…。