居場所をください。




「あれ、美鈴じゃん。」


もう少しで一高につく、ってところで

いきなり呼ばれた。


「なんだ、朔也か。」


朔也の隣には彼女。

それにしても朔也、ヤンキー度増したな。


「なにしてんの?こんなとこで。」


「夏音と約束。」


「あぁ、そういや校門のとこにいたな。」


「え!うそ!

急がなきゃ。」


「美鈴さ、松野貴也と付き合ったんだな。」


「え?あぁ、まーね。」


「まさか松野貴也とな~。」


「なに?変?」


「意外。可愛い系じゃん。」


「…貴也と会ったことあるよね?」


「あるけどさ。」


「………まぁいいじゃん。」


「でもさぁ、乗り換えんの早くね?」


「まぁいろいろあったんだよ。」


貴也の最初にしたキスの意味が

私を好きだから、ということなら

きっと赤堀さんと付き合う前から

貴也は私のことが好きだったと思うから。

なんで赤堀さんと付き合ったかはわからないけど

私たちはすれ違ってやっと付き合えたんだと思う。


「ま、よかったな。」


「ありがと。

じゃあ夏音待たせてるし行くね。

バイバイ。」


私は朔也と別れて学校へ急いだ。