それから貴也の仕事の時間になり、
貴也は会社へ、私はタクシーを呼んで
ママのいる施設へと向かった。
ここに来るのもそんなに怖くなくなった。
一人で来るのは久しぶりだけどね。
「ただいま!」
私はまた大きな声で挨拶をする。
この時間なら学生はいない。
「あら、美鈴?」
「ママ、ただいま。」
「おかえり。
もーいきなり交際宣言するし!
言ってよ!」
「あはは、ごめんね。
そのご報告に来ました。
上がっていい?」
「いいよ。」
私はママの部屋へと向かった。
「今日は休みなんでしょ?」
「はは、ママも見てるのか。」
「当たり前でしょ。
仕事はどう?順調?」
「うん、今のところはね。」
「そう、よかった。
恋は?順調?」
「うん。喧嘩もなくて仲良し。
まだ付き合ったばっかだしね。」
「ふふ、よかったわね。
あんなかっこいい彼氏で。」
「はは、ありがと。」
それからママとは少しくだらない話をして
写メをとって、施設の子供たちと遊んで
あっという間に夕方になった。


