「準備できました。」
「行くか。俺あと一時間半しかねーし。」
「うん。」
私たちは一緒に出たけど
大丈夫かなぁ…。
「早歩きになるけど」
「そのために低いヒールにしました。」
「わかってんじゃん。」
走ること覚悟してたからね。
こんなことなら写真あげなければよかったよ。
エレベーターからおり、外を見ると
「…いっぱいいる。」
「けど予想より少ないしなんとかなるだろ。」
「昨日貴也マスコミに向かって言ってたもんね。」
「よし、行くぞ。」
貴也は私の手を握り、歩き出した。
その姿を見て集まるマスコミ。
そりゃそーだ。変装0なんだから。
しかも二人揃って、手を繋いで。
長曽我部さんもびっくりだよ、これ。


