それから私たちは1時過ぎまで
テレビを見ながら仕事のことや
くだらない話をして
一緒にベッドへ入った。
「はは、これもけっこういいかも。」
貴也が暖かい。
冬ならもっと幸せだ。
「こんだけくっつくと
美鈴の小ささが際立つな。」
「ちょっと。ちいさくないけど。」
そりゃ貴也に比べれば小さいけど
女の子の中じゃ普通だよ。全く。
「腰とか折れそう。」
「それは長曽我部さんの指示ですから。」
「胸も「それでもいいんでしょ?」
どうせないよ。ぺったんこだもん。
「はは、そうだな。
まぁこれから育つかもだしな。」
やっぱりおっきい方がいいんじゃん。
どっちだよ、全く。
「……………貴也って私のどこを惚れたの?」
「なんだよ、急に。」
「いいじゃん。」
「……………俺を芸能人扱いしないとこと
美鈴の前だと素でいられるから。」
「え、そんなこと?」
「そんなことって。
俺がずっと求めてきたことだから。
隼也と仲良くなったのも同じ理由だし。
ずっとこの世界にいるから
役者じゃない松野貴也でいたい
ってのが俺の願いだから。」
「……………そっか。」
「美鈴は?」
「私はー…実は子供の頃貴也のこと好きだったの。
子役の松野貴也が。」
「え、それは初耳。」
「でも実際会ったら違いすぎてさ。
いきなりこいつ呼ばわりだし。
本当あのときはこんなやつだったのかって思ったけど
仕事を真面目にやってるとことか
本当は優しかったりとか
まぁそういうギャップで。」
「なるほどな。」


