居場所をください。




「とりあえず行くか。

美鈴が墓穴掘りそうだし。」


「長曽我部さん最近ひどいよね。」


「俺はいつも優しいわ、ばーか。

さっさといくぞ。」


私は腕を引っ張られ

食堂を出た。



「あ、美鈴ちゃん?」


ん?


突然呼ばれて私は振り返った。


「あ!咲さん!」


「会社で会うのは初めてだね。

仕事?」


「いえ、今日はもう終わり。

これからご飯いくんです。


咲さんは?」


「私はこれからレッスン。

あと2時間頑張らなきゃ~。」


「そっかぁ…。頑張ってくださいね。」


「ありがと。」


……………待てよ?2時間か…。


「咲さん、そのあとは時間ありますか!?」


「え?うん。

どうしたの?」


「あの!

あとでドラマの撮影見に行きません?」


「美鈴。」


長曽我部さんが止めた。


「えー、いいじゃん。

一人じゃなきゃいいんでしょ?」


「…ったく。」


「ね、咲さん。」


私は咲さんを引っ張って

長曽我部さんから離れた。


「貴也のドラマなんです。

終われば佐藤さんが迎えに来ます。

行きませんか…?」


「ほんと?

うん、行く。ありがと。」


「よし!決まり!

じゃあまたあとで連絡しますね!」


「うん。じゃあまたあとでね。」


やったね。