「……………俺、美鈴のこと好きなんだけど。」
うん。え？
「俺と付き合ってくんない？」
「…………………………え。
えぇ！？え、でも…え？」
待って、え？
だって長曽我部さんにだめだって言われてたよね？
なんで急に？
「……………落ち着けよ。
長曽我部さんが良いって。」
「ほんと？なんで急に…。」
「俺ら噂になったじゃん。
それに対する世間の反応がよかったからだと。」
「へぇ…そうなんだ。」
「でも付き合うなら利用させてもらうって。」
「利用？」
「そこらへんは俺もよくわかんねーけど
俺はそれでも良いと思ったから。
美鈴と堂々と付き合えるなら
俺はそれでも良い。
……………美鈴は？」
利用か…。
「……………っていうかたぶん
付き合っても付き合わなくても利用するよ。
あの親子は。
あの親子は私を利用したとしても
私が離れていかないとわかってるから。
それに、すでにもう利用されてるし。」
「は？」
「この前の喧嘩。
仲直りさせなかったでしょ？
あれも長曽我部さんに利用されてたの。
私はそれを聞いてもなんとも思わなかった。
だから私は利用されても構わないよ。」
「……………じゃあ俺と付き合う？」
「ごめん、もっかい言って。」
なんかこのまま「うん。」というのが嫌だった。
しっかりまた言葉がほしかった。
