居場所をください。




「隼也の友達、いる?」


「一番端っこで寝てるやつ。

松野貴也。知ってる?」


「あ、知ってる知ってる。

前の学校の友達ファンだよ。」


CMとかでも見る、癒し系の子だ。


「あいつは裏表の差が激しいから。

テレビと全然ちげーから驚くなよ。」


「えー…やっぱり芸能人は

そういうとこ知るものじゃないね。」


「美鈴もそうなるよ。

どういうキャラでいくの?」


「きゃぴきゃぴ感出せって。

でもアホにはなるなってさ。

知的さを残しつつのキャピキャピ感。

とりあえず笑えって。」


「はは、全然違うじゃん。」


「ま、やるしかないよね。

社長のご命令みたいなので。」


「へー、社長がな。

すげー期待されてんじゃん。」


「私なんかにねぇ…。」


「今度カラオケ行こ。

俺も聴いてみたいし。」


「カラオケとか行くんだ。

ってか女の子と行っていいの?」


隼也の浮いた話はまだ聞いたことない。

16歳だしね。