居場所をください。




「ってか俺にも写させてよ。」


「いいけど…いいの?それで。」


「いいじゃん。」


隼也は後ろを向いて私のプリントを写し始めた。


「…ってかすごい睨まれてる。

女の子に。」


「俺と仲良くしてるからだよ。

俺人気あるし。」


小声でそういう隼也は本性の方。

使い分けがすごいね。


「…じゃあ隼也と仲良くするのやめる。」


「すっげー今さら。」


そういって笑うのは

きっと本当の笑顔なんだろうな。


「窓側の子達でしょ?

あの子たちも同じ事務所で

しかも歌手志望だから余計にね。

デビュー決まってないし。」


「どちらにしろ、私は妬まれてるのね。」


「そういうこと。

プリントさんきゅ。」


そういって私にプリントを返した。