「……………うらやましかった。」
やいやい長曽我部さんと空気を壊して言い合ってると
突然赤堀さんが話し始めた。
「五十嵐さんは下積みもなくて
長曽我部さんが直々にマネジメントしてて
デビューもすぐに決まって
デビュー曲も1位で……………
苦労なく人気が出たのが妬ましかった。
私なんか子供の頃から劇団に入って
ずっと好きだった貴也くんのいる
この事務所のオーディションを何回もうけて
やっとグランプリをとれたのに
デビューしてもそこそこで……………。」
苦労なく、か…。
そうかもね。私は長曽我部さんについてきただけだもん。


