居場所をください。




「それになんで美鈴を巻き込んだ?

わざわざ美鈴の好感度下げるような書き方してるよな。


俺は貴也から別れたいという話は聞いてたし

原因はなんにしろ、別れを切り出したのは貴也なんだろ?」


「はい。昨日俺から言いました。」


「なのになんであんな書き方をした?

同じ事務所の人間を落とすような行為は契約違反だ。


たとえこの二人が恋仲だったとしても

沙耶香にそれを暴露していい権利はないし

あんな誤解をさせる文章をブログに載せて

オフィシャルブログのパスワードを変えるなんて

お前はここから追放されてーのかよ。」


長曽我部さん、ちょっと怖いよ…。


「今回のことで損害が出たら

その賠償はきっちりとってもらうからな。」


長曽我部さんがそういうと

赤堀さんは目に涙を浮かべた。


「……………赤堀さん、よかったらどうぞ。」


私は赤堀さんにハンカチを渡した。


「お前はお人好しすぎ。」


「優しいと言ってくれる?」


こんな場面だというのに

変に言い合う私と長曽我部さんは

やはり兄弟なのだろう。