私が知らないところで私のマンションを知ってる人は
他にもたくさんいるよね。
タクシーの運転手さんだったり、マンションの住人だったり…。
「あーもー!だれ!」
「キレんなよ。」
そして会社について私たちは社長室へ急いだ。
「すみません、遅くなりました。」
長曽我部さんに続いて私も入る。
そこには貴也と沙耶香さんと
各チーフマネ。
そして、社長。
「揃ったな。」
社長が口を開いた。
「まずは貴也、マンション出入りの件は事実か?」
「事実ですけど…
そもそも俺と美鈴はマンションが一緒なので、毎日出入りしています。
部屋に入ったことはありますけど、
沙耶香と付き合ってるときに部屋に入ったことはありません。」
いや、一回あるけど。
なんてさすがに言えないけど。
「そうか、なら出入りは全く問題ないな。
沙耶香はなんで確認もしないで勝手に書いたんだ。」
「……………すみません。
勘違いして……。」
「澤田も自分の担当だろ。
ちゃんとタレントの管理をしろ。」
「はい、すみません。」
「とにかく、もう報道各社から連絡が来てる。
もう少しすればここにもマスコミが来る。」
「俺が対応します。」
長曽我部さんが名乗り出た。
「いや、ひかるはだめだ。
今日は美鈴の生放送が2本あるだろ。
美鈴につけ。
対応は俺が直接する。」
「わかりました。」


