それから私たちは車に乗り込んだ。
「美鈴、最初に職員室行け。
隼也に聞けばわかるし。」
「はーい。」
「美鈴ちゃんもいずれ演技やるの?」
「え、私に聞かれても…。」
「美鈴の演技次第だろうな。」
私が困ってたら永田さんが答えた。
「レッスンしてるの?」
「してないです。」
「ってか隼也、別に美鈴の前で作んなくていいだろ。」
「だってドラマ見てるなんて言われたらな。
自然と作るだろ。」
あ、キャラ変わった。
「へー、すごいですね。」
「美鈴もちゃんと演じろよ。
その冷めた顔のままテレビ出んなよ。」
「……昨日長曽我部さんにも言われたし。
努力しまーす。」
「俺も美鈴って呼んでいい?」
「あ、どーぞ。」
なんとなく、この人は裏表あるけど
こっちが本性だったとしても
悪い性格じゃなさそう。
テレビの前でいい顔してるだけで。


