居場所をください。




「ま、忙しくならなかったら続けるよ。」


「なに、忙しくなんの?」


「すでにじゃっかん忙しいよ。

詳しくは後々話すね。」


売れなかったらまたここでバイトしよう。

うん、そうしよう。甘えよう。勝手に。



それからなんとか22時までバイトを頑張り……


「つっかれた~!」


迎えに来てくれた長曽我部さんの車に乗り込んだ。


「お疲れ。」


「レッスンの日にバイトはハードかもしれない…。」


「だからやめりゃーいいのに。」


「だってお金ないもん。

やめられないよ。」


「デビューまでにはやめろよ?」


「売れなかったらどうすんの。」


「売れるよ。俺がトップ立たせる。」


「なんか信じられない。」


「俺をなめんな。

ってか飯は?食った?」


「永田さんとファミレス行った~。

ってかこんな時間に食べたら太るし。」


「ま、そうだな。

歌詞、進んだんだって?」


「まー言いたいこと言っただけだけどね。」


「あと笑顔の練習な。

相変わらず冷めすぎ。

もっと感情的になんねーと

ファンつかねーよ。」


「がんばりまーす。」


「そこだけが難点だよな。

性格変えろとは言わねーけどさ

ちゃんと演じろよ。」


「はいはい。」