居場所をください。




「はい、オッケーです!」


その声に離れる唇。


「ごめんな。

でも俺本気だから。」


隼也は真剣な表情でそういって

先に椅子へ戻った。


「美鈴。」


永田さんに呼ばれて

私も椅子に戻った。


隼也の隣に座った。



「オッケーです。

これで撮影は終了です。

お疲れさまでした~。」


「いやー、すごいよかったよ。

完成が楽しみだな!」


画を確認した監督はご満悦だけど

私と隼也に会話も笑顔もない。


気まずい空気が流れている。



「美鈴、着替えてこい。」


永田さんに言われ、私は立ち上がった。


「……………お疲れさまでした。」


私はロケ車へ戻った。