居場所をください。



「で、どんな曲にすんだよ。」


「んー、とにかくデビュー曲は

親に伝わるような歌詞入れたいんだよね。」


うーん…。と、私は考えた末、


「出だしは

"あなたのために私は今ここにいます"

的な。これがぴったりハマる曲だといいなー。」


「今なら希望言えるし言うか?」


「うん!じゃあ言って!

最初と最後だけ静かな感じで、最後は

"必ず迎えに来ると言ったあなたの言葉を

私は今でも信じています。"がいい!


あとは明るくていいし。」


「了解。あとで伝えてくるわ。」


「あとは真ん中かー。

なんか大きな夢に向かって走り出しました。

的な感じ。」


私がそういうと永田さんはパソコンに

すべて打ち込む。


「あとさ、私いじめられてたから」


「は?」


私の言葉に永田さんが反応した。


「だからね、きっと私の姿を見て

笑う人もいると思うんだよね。

だから、ださいって笑われても

私は走り続ける的な感じで。」


「ださいなんて歌詞に入れられねーけど。

美鈴のキャラに合わなさすぎ。」


「あぁ、そっか。

……………カッコ悪いとか?」


「それならいい。

"カッコ悪いと笑われても走り続ける"な。」


「ところで私はメモしなくていいの?」


「ノートとかあるわけ?」


「ない。」


「だろうな。俺があとで渡すからいいよ。」


へぇ、助かるね。