居場所をください。



「捨てられた私と一緒に手紙があったんだけど

その日は雨で手紙が濡れててほとんど読めなかったけど

私の名前と生年月日のところと、最後の

"必ず迎えに来ます。"ってところだけが読めたの。

だから、この世界にいればどこかで

私の両親に私の気持ちが伝わるかもしれないでしょ?」


「だからこの世界に入った?」


「………ううん。

もうあそこにいたくなかった。

あそこは孤独の塊だから。

早く抜け出したくて、あそこにいたくなくて

私は毎日バイトをしてたの。


だから、長曽我部さんが

俺が連れ出してやるって言ってくれて

私はそれについてきただけ。」


「……………なるほどな。」


「私と長曽我部さんが出会ったの

本当にこの前なのにさ

こんな変化があるなんてね。

この世界のすごさを垣間見たよ。」


「普通はこんなすぐ動かねーよ。

それが長曽我部さんのすごいところ。

あの人忙しいくせにチーフマネを買って出た。

そんくらい、美鈴に期待してんの。

俺も早くお前の歌聴いてみたいわ。」


……………私なんかにねぇ…。