居場所をください。




「美鈴、CDもしっかり宣伝してこいよ。」


長曽我部さんは相変わらずです。


「もちろん。」


私はお母さんが残してくれたネックレスをつけ

スタジオで待機した。


『今日はね、その噂の五十嵐美鈴さんが

実はスタジオまで来ています。


五十嵐さんです、どうぞー!』


司会者に呼ばれ、私はセット内に入る。


「よろしくお願いします。」


私は笑顔で頭を下げながら椅子に座る。



「えー、五十嵐さん。

今大谷隼也くんとの熱愛報道がありますが

大谷くんとの出会いはどういう感じでしたか?」


「出会い、ですか…。

学校が同じで私が学校にいこうとしたときに

大谷くんのマネージャーさんが

私のマネージャーさんに大谷くんも連れてって

と言って連れてきたのが出会いですね。」


「あ、そうなんですね!

学校が同じなんですか~。


告白はどちらからですか?」


「いえ、本当に友人ですから!」


「本当にお付き合いされてないんですか?」


「もう本当に違います!

友人としては仲良くさせていただいています。

この世界で初めて仲良くなったのが大谷くんですから。」


「ショッピングモールで見たという情報もありますが…」


「友達と買い物や食事に行くのは普通でしょう。

逆にみんな友達とはいかないんでしょうか…。」


……………やばい、長曽我部さんの表情が。

キャラを壊すなって難しい!