居場所をください。




「……………すごいシンデレラストーリーだな…。」


「そうだな。」


結局私は幸福者だ。



それから私はご飯を食べて

仕事に向かった。



雑誌のインタビューでは新曲のこともだけど

隼也とのこと、さっき放送されたばかりの

私が施設出身のことだった。


「五十嵐さんは施設の出身だということですが

こちらは事実なんでしょうか?」


「本当のことです。

別に隠してたわけじゃないんですけどね。

私はちゃんと愛されていましたから。」


「For youの最後の歌詞は

やはりいなくなってしまったご両親に向けた言葉ですか?」


「内緒です。」


「迎えに来てくれるといいですね。」


いや、勝手に決めつけないでよ。


「はい。」


そんなこと言えないけどさ。

でも知っててほしい人が知ってくれてるから

私はそれでいいんだ。