居場所をください。




「……………この事は秘密にしておくのか?」


長曽我部さんが言った。


「その方が良いだろう。

他のやつがなんて思うかわからない。」


「世間的にもね。

私、隠し子だもん。」


「そうだな。」


私が笑いながら言うと

社長も笑いながら言った。


「笑い事じゃねーよ。」


そりゃそーだ。


「とにかく、この事は3人の秘密な。

このことが公になればこの会社潰れる。」


長曽我部さんが言った。


「だな。

幸い、美鈴さんは俺にもひかるにも似てないしな。」


「……………でも、奥さんは?

お母さんの若い頃を知ってるでしょ?」


「え、そうなのか?」


え、知らないの?


「星菜さんが美鈴を連れてきたとき

俺と母さんも見てたんだ。」


「そういうことか。

でももう母さんはいないから。」


「いない?」


「2年前にガンでな…。」


「……………そっか。

すみません。」


「いや、気にするな。

とりあえずはバレることはないだろうな。」


「そうだな。」