「なぁ、貴也。」


「はい。」


美鈴がマンションに入ると車を動かし

長曽我部さんが話し始めた。


「美鈴に告んねーの?」


「急ですね。

しかも長曽我部さんから言われるとは思いませんでしたよ。

俺今赤堀の彼氏役なのに。」


「事実じゃねーしな。

どうすんのかなーと思って。

あいつの兄貴として。」


「美鈴のマネージャーに聞きますけど

俺は告っていいんですか?」


「……………完璧に隠せる自信があるならな。」


「え、まじすか?いいんですか?」


「社長もな、美鈴には甘いんだよ。

まぁ実力あるしな。貴也も。


だからいいんじゃねーの。

ただ今は映画があるから

絶対バレないようにだけど。」


「逆にバレにくくないですか?

表向き赤堀の彼氏役やっとけば

俺が美鈴好きなんて。」


「ま、そうかもな。

とりあえず20日に美鈴と隼也

キスシーンあるから。」


「……………またですか。」


「ま、一応教えとく。」


「……………俺ここで降ります。

今日はありがとうございました。」


「おう。」


俺は車を降りてマンションへ向かった。