居場所をください。




「うー、お腹すいた~。」


今日はいっぱい歩いたし。


「……………お前ら変装するということはしねーのかよ。」


「前髪は隠してるよ?」


貴也は変装ゼロだけど。


「店の中で帽子やマスクは違和感ですし。」


「だからってなぁ…。」


「バレバレだよね、完全に。」


「美鈴もな。」


「ったく。」


長曽我部さんは完全に呆れモード。


私なんかなかなか慣れない。

まだデビューして間もないもん。


「で、美鈴。これ。」


「なにこれ。」


私は一枚の紙を受け取った。


「え…。」


「オリコン。やったな。」


「一位じゃん、すげーな。」


「うそぉ…。」


信じられない。


「社長からボーナス出るよ。」


「え、本当?」


「あぁ。

ま、頑張った成果だな。」


「………すごいなぁ…。」