居場所をください。



「美鈴、お疲れ。」


「あ、永田さん。うん。」


私は永田さんと車に向かった。


「このあとバイトだろ?

一旦家戻るか?」


「ううん、鍵ないし、必要なものは店にあるから。」


「じゃあファミレスでも行くか。」


「なんで?」


「飯、食わねーの?

それに歌詞も考えなきゃだろ。

先にある程度考えといて、

曲が来たらそれに合わせて修正する。」


ふーん…。


「ところで何曲書くの?」


「2曲。1曲目は明るくて、

2曲目はバラードつってたかな。


宣伝用として使われるのは当然1曲目。

ちなみにその次のシングル発売日も決まってる。

5月1日な。だからデビューする前に

2枚目も考えなきゃならない。

デビュー前にテレビの収録もあるしな。」


「……………すごいね。

私がなにもしなくても勝手に決まってくね。」


「そんだけ期待されてんだよ。」


「え?」