居場所をください。




そして20時ー


「じゃーね、美鈴。

また遊ぼうね。」


「うん、気を付けてね。」


久しぶりに電車に乗った。

最近車ばかりだからね。


そして夏音と駅で別れたのだ。


なにげにマンションまで近いからね。

歩いて10分くらいだし。


「あれ、美鈴じゃん。」


「……………なんだ、朔也か。」


「なにその反応。

すげー残念そう。」


「そんなことないけどさ。」


「てか俺彼女できたんだ~。」


「え、嘘。おめでと。

よかったね。いいな~。」


「いいなーって。俺のこと振っといてよく言うわ。

しかも大谷隼也と付き合ってんじゃねーの?」


「付き合ってないよ。

みんなそればっかり。


第一高校?」


「彼女?そうだよ。」


「え、誰々?」


「白石百合。」


「あー、可愛いもんね。

どっちから?朔也から?」


「いや、コクられてまぁいいかなって。」


「なにそれ。好きなの?」


「おう、好き好き。

最初の頃はそうでもなかったけど

今はちゃんと好き。」


「そっか、ならよかった。」


朔也にも彼女か。

自分から来た世界だけど…

いいな、自由で。