「五十嵐さんもそのように答えられていますが
同じ部屋にいたらわからないのではないですか!?」
記者はどうしても黒であってほしいのか、そんな言葉を投げ掛けてくるけど
「…わかりますよ」
俺はそんなことではくじけない。
「わかりますよ。
うちの社長と美鈴は絶対に男女の仲ではありません。
それだけは、胸を張ってお答えします。」
「ですが…」
「どうしてですか!?」
「その理由は!?」
「理由は…社長と美鈴は
そんな、安っぽい関係ではないからです。」
その俺の言葉に、一瞬にしてシーンとした。
全員が言葉を失った。
「二人の仲の良さは認めます。
ですが二人は、そんな軽い関係ではありません。
もっともっと深い関係であることを、俺を始めここにいるマネージャーも、そして社長の奥さんも知っています。
多くの人が羨むくらい、この二人の絆は深いです。
そんな二人が男女の関係まで落ちるなんて、俺には到底信じられません。
まぁ、二人が仲いいと美鈴の売り方とかに疑問を持つ人もいるだろうけど、それもここできっぱり否定させてください。
うちの社長は、そんなことで美鈴を贔屓する人ではありません。
それどころか、社長は美鈴に対してはある意味特別で、とてつもなく厳しい人です。少しも甘さは見せない、冷酷な人です。
お願いですから、この二人はそっとしておいてください。美鈴から、社長を取り上げないでください。
この人は美鈴にとって、最大の居場所ですから。
……失礼しますね」
もう、眠いし疲れてるしで限界……
…それにしても、美鈴幸せそうに笑ってたな
楽しかったんだな。


