そして瑠樹の結婚式は無事終了。当然、二次会は不参加だ。
長曽我部さんは本当にうちに泊まりに来る、ということで
途中子供たちも迎えにいって全員で我が家。
子供たちのテンションはかなりハイで、かなりうるさい。けど
そんな中、俺だけ佐藤さん待ち。
まじで俺だけ仕事。明日のために前のり。まじかよ。
「貴也、支度はねぇけどパスポートだけは絶対忘れんなよ。」
「さすがにそんなミスはしませんよ」
長曽我部さんはもう風呂も済ませたよ。長風呂の長曽我部さんは碧翔と飛鳥を入れ、さっさと出てきたかと思えば、今は美鈴が朝陽を入れてて、すっかり夜モードなのに、俺はこれから仕事か……
「そういや長曽我部さん、なんで美鈴歌うの許可したんですか?
新曲まで作るなんてよっぽどですよね」
「んー、まぁ新曲を書きたいっていったのは美鈴だけど
許可したのは普通に、ファンを増やすチャンスだから。」
「・・・は?」
え、ファンを増やすため?え、そこ?
「美鈴さ、ライブですげー残念なときもあるけど
誰かのために歌おうってするときはとてつもない力が発揮するらしくて
それがけっこう支持されるから、今回もいいチャンスかと思って。
新曲は利益にもなるし、ファンが増えても利益になるし、
利益になんなら一人で多くファンにさせるために
俺も全力で協力したってだけ。
適当な余興じゃなくて、友達のために時間をかけて作り上げた余興なんて、心射抜くだろ?」
……なるほど、そういうことか
「…社長になっても長曽我部さんは長曽我部さんでなんかちょっと安心しますね」
「だろ。」
それも含めての"宣伝"だったわけな…
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それから佐藤さんが俺を迎えに来て
俺は日本を発ったわけだけど
まさかの撮影押しでなんにも支度してこなかったのに、まさかの泊まり。
佐藤さんが全部調達してきたけどな。
そうして俺が日本へ帰ったのは4日後だった。


