居場所をください。




「貴也もおかえり。」


「・・・あぁ、ただいま。」


ま、でも
美鈴が俺に向ける笑顔は昔と変わらないから、俺は全然いいんだけどさ。

何番目だって。


「どうだった?レコーディングは」


「うん、まぁまぁかな。
佐藤さんもべた褒めだったよ。私らしいってさ」


「サンプルはもうあんの?」


「あるけど社長行き。
さっき長曽我部さんが持ってたよ。」


「瑠樹の結婚式用っていうか披露宴で歌うやつは2曲目なんだろ?
1曲目はどんなんなわけ?」


「あ、うん
高橋に頼まれてね、それも式の入場の時に使えるような歌にしたんだ~」


うわ、まじかよ。
まさかの両方瑠樹宛。

……まぁ瑠樹にも勝てる気はしてなかったけどさ


本当、俺の立場。



・・・まぁいいけどさ…


「とりあえず、式の翌日が発売日でその日とその翌週に歌番組の生が入ってるし、頑張って歌わないと!」


はいはい、頑張れよ。

俺は風呂でもためるかな…