居場所をください。




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「兄はその時すでに妻子がいたの。」


「……………え?」


「私の家ね、会社を経営してて

これでも私お嬢様なの。

兄は跡取りで、婚約者は決まってたの。


だけど星菜はそれでもずっと好きだった。

お互い、惹かれ合っていた。


それから数年の月日がたって

その……………そういう関係にまで発展してしまって

16年前、あなたが生まれたの。


星菜は結婚したいとか、そういう思いはなかった。

兄は妻子がいたし、諦めていたの。

だから認知もしなかった。


そのネックレスは出産祝いに私が贈った。

あんな兄でごめん、って意味も込めて。

お金に困ったらそれを売ってお金にすればいいと思って。」


「……………じゃあこれは…。」


「宝石よ。しかもオーダーメイド。」


私はネックレスをまじまじと見てしまった。


「それで、母は…。」