居場所をください。




……で、とりあえず飯を作るけど
なんだ?この調味料の量。
あいつどんだけ使ってんの?

料理は別に好きじゃないとか言っておきながら、これ。

まぁいいや…


「長曽我部さん」


「なんだ、寝てろよ。」


「だってなんか落ち着かなくて。
気持ちが浮わついてて。」


「はは、なんだそれ。」


「ね、活動休止っていつから?」


「式が終わってすぐだな。
とりあえず披露宴の会場外にマスコミがいることをOKしちゃったし。
そのあと体調不良ってことで発表しよう。」


「え、体調不良なの?妊娠じゃなくて?」


「考えたくはないけど、妊娠で発表してもし流れたら、面白おかしくかくやつ、非難するやつも出てくる。絶対にな。
だからできれば7ヶ月、8ヶ月くらいになって、見た目が変わってからの方がいい。
それに、まだ安定しない時期にいろいろ言われたら、美鈴も精神的に辛いだろ。」


「……そっか、わかった。」


「とにかく、美鈴は今体のことを一番に考えろよ。
あとは病院だな~。」


確かうちの事務所の誰かが行ってるところが区内にあったよな……
女医だし綺麗で優しいし、マスコミにバレにくいって評判で…


「いつ行ける?」


「なんなら飯食ったら行ってもいいけど。」


「え、今日?そんなすぐ?」


「こういうのは早い方がいい。
貴也、今日いないし俺と行けばいいよ。」


「……長曽我部さんが一緒にいってくれるの?」


「当たり前。そんなダルそうなのに、一人でいかせられねーし。
そもそも、未成年の美鈴には保護者の俺がついていくのが当然。」


「そっか、ありがとね。」


「とにかく休んでろよ。」


「ここにいる。」


美鈴はそういってソファに座り、こちらをずっと見ていた。