居場所をください。



「あなたのお母さんの名前は五十嵐星菜。

名前くらいは知ってるかな。」


「はい、戸籍で……。

でも私が調べられるのはこのくらいで

今どこで何をしてるのかはわかりませんでした。

それに……………「父親?」


「………はい。」


父親の名前はなかった。

私は認知すらされてなかったのだ。


「時間は平気?」


「はい。一時間くらいでしたら…。」


「じゃあすべて話すわね。

私と星菜は友達だった。高校からね。

星菜は可愛くて、スタイルもよくて

今のあなたにそっくりだったわ。

頭もよかったしね。

性格もよくて、人気もあったわ。


だけど高校三年の時、両親……

あなたの祖父母に当たる人が事故で亡くなったの。」


「事故………。」


「それで星菜はひどくショックを受けたの。

私はそんな星菜が放っておけなくて

しばらく家に泊めてたの。


私には5つ上の兄がいるんだけど

そこで私の兄と星菜は出会った。」


……………え?





「星菜は次第に兄を好きになっていった。

兄も星菜に惹かれていった。


……………だけどね、兄はその時…」