居場所をください。




それから美鈴に会うこともなく2週間が過ぎた頃

今日は里美が夜勤で、弘希も友達と旅行に行き、ついでに貴也も舞台で地方に行ってるこの日
俺も美鈴も仕事がはやく終わるから、久しぶりにどこかへ行く約束をしていた。


……もはや、無理矢理にでもはやく終わらせるために
めちゃくちゃハイペースで仕事してるだけなんだけど。


そして14時過ぎ、

「長曽我部さん、戻りました。」

佐藤が戻ってきた。


「おう、お疲れ。
美鈴は?食堂で待ってるか?」


「いえ。
なんかかなり体調が悪そうで、長曽我部さんに今日は断っておいてほしいと頼まれました。」


「体調が悪いって、熱もあんの?」


「いえ。体温は普通でした。
でも本当に体調が悪そうで、かなりぐったりしていましたよ。
病院に行くか聞いたんですけど、なんかそれさえも辛そうで今日はとりあえず寝てる、と。」


「そうか。わかった。
ちょい俺美鈴んとこ行ってくるわ。
今日はもう戻らねーから。

体調が悪いこと、貴也には俺から伝えるから。」


「わかりました。
お疲れさまです。」


「お疲れ。」


熱はないのに、ぐったり…か。
旅行から帰って来て2週間……

とりあえず俺は必要なものをドラッグストアやスーパーで調達してから
美鈴のマンションへと向かった。