居場所をください。




そのあとも散々二人が喋り、静かになった頃に美鈴のマンションへ到着した。


「ところで美鈴
上田とか佐藤には招待状出したのか?」


「うん。
住所とかわからなかったから、受付でお願いしたの。届けるように。
それが一番確実かなと思って。
長曽我部さんに頼む方が楽だったけど、それじゃ相手に失礼かなって。」


「でかく挙げんの?」


「社長と相談して、式は小さく、披露宴はそこそこ大きくやるけど報道は入れないってことで決定したかな。
だけど披露宴前に囲み取材を受けることと、招待状にも書いたけど会場外で取材陣がいることは許可したよ。」


「式は誰招待してんの?」


「長曽我部一族と、隼也、佐藤さん、咲さんだけ。
一応、私と社長の関係知ってる人で抑えてるよ。

披露宴はかなり呼ぶつもり。貴也側も多いし、私側も多いから。」


「高橋くんは式に呼ばなくていいのか?」


「高橋はその日、もう旅行の予定があるみたいで。
もっとはやく言えばよかったんだけど、仕方ないし披露宴には間に合うように帰ってくるみたいだからそれだけで十分。

施設のみんなは呼べないけど、ママは披露宴には来てくれるみたい。
藍子もね。」


「ふーん、なるほどな。」


「芸能人、めっちゃ来る?」


「はは、弘希はそこ気にするんだね?
まぁそれなりに来るよ。私はあんまりいないけど、貴也はそこそこ多く呼ぶし。」


「へー、なんか馴染まねーわ。」


「美鈴、沖野さんには声かけたのか?」


「沖野さんはね、年明けてすぐに結婚報道見て連絡してきてくれて
絶対呼んでね!!っていってくれたし来てくれるって。
披露宴はホテルでやるから沖野さんにはもう部屋とったよ。」


「へー、準備してんだな、しっかりと。」


「ウェディングプランナーさんが丁寧だしね。」


「写真は?前撮りとかすんの?」


「んーとねー、そこの式場では当日だけ。
でもこの前モルディブでも撮ってきたし、貴也ときれいな海で撮りたいねってなって、来年もハワイで予約済み。
写真だけね。
その次はヴェネチアに行きたいかな。
とりあえずまだ19だし!10年くらいかけて毎年どっかで撮りたい!」


……まじかよ。
貴也もそれに付き合ってるってわけね。
さすがだわ。


「そうだ。話すの忘れてたけど
そのドレスでの撮影ね、一ヶ所だけ長曽我部さんも行ってほしいの。」


「どこ?ってか俺?」


「うん。」


「で、どこ?」


「伊豆。
前に、一緒に行ったところ。」


「……あぁ、あそこか。
わかった。スケジュール合わせとく。」


「うん!ありがと!
ってかそろそろ降りるね。
今日はありがと。またねー」


美鈴はそういって、車を降りてマンションへはいっていった。