居場所をください。




19時前にここに来て、飯を食って20時半、美鈴は帰り支度を始めた。


「泊まっていけばいいのに。」


そう里美が止めたけど。


「22時には貴也も帰ってくるので、それまでに帰らなきゃなんです。
せっかくなんですが、すみません。」


もうすっかりこいつも人妻だ。


「じゃあ送ってくるわ。」


と、俺も鍵をもって立ち上がれば


「父さん、俺も行くわ。」


なぜか弘希まで立ち上がった。


「でも母さん一人になんじゃん。」


「別にいいよ?一人なんて慣れてるしね。」


「…じゃあ、戸締まりと火だけ気を付けろよ。」


「はいはい、子供じゃないんだから。
じゃあ美鈴ちゃん。またいつでも来てね。」


「はい、またお邪魔します。
おやすみなさい。」


そういって美鈴がリビングを出たから
俺と弘希もリビングを出た。


「ねー、弘希。
彼女とはどうですか。」


「別に普通。」


「冷めてるね~。
もう19なんだし、もしかしたら最後の彼女かもじゃん?
弘希も結婚とかするんでしょー?」


「さぁ?まだまだ考えてねーけど。
するにしてもまだまだ先だろ。」


「それ、私も思ってたけどすぐしちゃったよ?」


「そりゃお前らは稼いでるからな。
一緒にすんなよ。」


……俺だけ、全く会話には入れねーし。