食事の時間が終われば、次は美鈴が「待ってました!」と言わんばかりに
持ってきた荷物を広げていた。
「なに?それ。」
なんて、里美も興味津々で。
「えーと、まずこれ!
まだまだですけど、10月末に式を挙げるので招待状です。
最近長曽我部さんにもあんまり会えなくて住所がわからなかったので出せなくて。」
式な。……年明けて早々、俺のとこに押し掛けてきたもんな…
俺も、式なんて挙げたことないから全くわからねーっつーのに。
「そっか、10月か~。
スケジュール確認してすぐに返信送るね。」
「はい。お願いします。
本当は20歳過ぎてからがよかったんですけど、社長に絶対ダメだって言われまして…
世間的にも式は早い方がいいって言われ、ドレスが似合うかわかんないけどもう挙げちゃいます。」
「はは、絶対似合うよ。大丈夫。」
「だといいんですけどね。
それと、こっちがお土産です!」
つって、今度は次から次へと里美や弘希に渡されていった。
「で、これ!里美さん料理上手だから好きかなーと思って。
お塩です。よかったら使ってくださいね。」
「へぇ、おしゃれだね~」
「私お塩って大好きなんです!
こっちは香辛料です。かなり辛いですよ~」
なんて、次から次へと……
つーか俺へのお土産はねーのかよ。おい。
「あ、これは長曽我部さんね。」
お、やっと出てきた。
……かと思ったのに
「クッションって…」
「私の社用車に置いて~」
……なら俺に渡すなよ。
上田に渡せよ…
「あ、それとこれも里美さんです。
絶対里美さん好みだと思うんで、よかったら使ってください!」
そういって出てきたのは、まさかの香水。
……あんなに里美の香水が嫌いな美鈴なのに…
「ん~、ほんと!すごい好きだよ!」
わざわざ、そんな嫌いな香りの香水を買ってくるなんてな。
「よし、これで全部かな。」


