居場所をください。




それから歌詞を上田に渡し、俺は俺の仕事をしていた。
つっても俺ももう美鈴のライブのことばっかだけど。


とりあえずメンバーはツアーと一緒。
誰一人欠けることなくて助かったわ。

……そういや美鈴から書類返ってきたのか?
佐藤から来てねーよな…
ったく、本当そういうのはおせーな。


「長曽我部さん」


「澤木か。どうした?」


「貴也と美鈴ちゃん、下に来てるみたいですよ?」


「え、もう?
……わかった。さんきゅ。」


まだ17時過ぎだし。
っていうか貴也もいんの?
しかもなんで澤木経由?
まぁ貴也が連絡したんだろうけど。

とりあえずパソコン持って下行くか。


「お疲れ~」


まだ結構多くの人が残ってんのに、俺はまさかの定時上がり。
こんな早く帰んのいつぶりだよ。


「あ、長曽我部さん」


「ん?なんだ?山村。」


なんかあれから、山村は急に真面目になった。
おかげで小春も今年中にライブハウスだけどライブが決まりそうだわ。


「下に永田がいたら俺が呼んでたって声かけてもらえます?
全然電話繋がんないんですよ。」


「永田な、了解。」


「お疲れさまです。」


「あ、お先。お疲れ。」


永田な。あいつ、ほんっと仕事しねーやつ…
美鈴についてたころはそれでもまだ真面目に仕事してたくせに…