居場所をください。




……なんて思っていたのに、

助手席を開けた途端


「よっ。」


「う、わ!え!?」


私は本当にお姫様抱っこをされた。


「一年以上介護してたんだからな。

なめんな。」


「……お見逸れしました。」


貴也はゆっくりと

私を助手席へ座らせてくれた。


「……ありがと。

正直、どうやって上ろうか悩んでたんだ~。」


「…美鈴って本当に軽いんだな。

長曽我部さんが太れっつーのもわかるわ。」


「……これでも1キロ増えましたけど。」


「あんま変わんねーよ。

荷物はこれだけ?」


「うん、そうだよ。」


荷物、といっても

着てきた服と、バッグと靴だけだけど。

行きよりちょっと減った。


「で、どっか行くわけ?」


後ろに荷物を置いて、

運転席に座った貴也は

まずそれを言った。


「んー、9時だもんね。

買い物にいきたいんだよね~。

スーパーとかにあるかな。」


ということで、

まずはスーパーに行くことに。


「ってかさ、それトイレとかどうすんの?」


「……あぁ、考えたことなかった。

どうするんだろ。」


まくりあげるの?

はだけない?はだけるよね?


……うーん…