居場所をください。




「あ、そういえば今日籍入れるんでしょ?」


「え?どうしてそれ…」


「あー、ひかるが前にいってたんだよ。

何日か前…そういや美鈴ちゃんが

この店来た数日後だっけかな?

樹生知ってるでしょ?

あいつの店に飲み行ったらひかるがいて、

美鈴結婚するんだよーとか言ってて。

珍しく酔ってたな。

もう深夜っつーか朝方だったけど。

何事かと思って大和に聞いたら

箱入り娘を嫁に出すんだと

とか言い出すから意味不明だったんだけど

聞けば美鈴ちゃんが妹とか言い出すし

ずっと手の届くところにいりゃいいのにとか

なんか気持ち悪いくらい潮らしくってさ

まじで泣き出すしであの日はやばかったから。」


「え、泣き出すって長曽我部さんがですか?」


「そ。気持ち悪いだろ。

どうして全部一番に大切にできねーのかな

とか言い出すから樹生と爆笑したら

本気で殴られて災難だよ、まじで。」


「なんていうか……

あなたたちにはけっこう

なんでも話しちゃうんですね、長曽我部さんって」


普段はあんなに口が堅いのに……


「まぁ、樹生は微妙だけど

俺と大和はひかるのダチん中で

一番ってくらい信用あるしなー。

樹生は口が軽いって言うか

ポロポロと話しちゃうから

大事なことはなんにも言えないんだけど、

まぁひかるにないものを樹生は持ってるし

俺ら4人はいつも一緒にいたからな~。」


「へぇ…仲良しなんですね。

……樹生さんも。」


「美鈴ちゃんにもいるでしょ?

なんつーか、なんか抜けてるんだけど

大事なやつって言うか。」


「あー、いますね。

めちゃくちゃ空気の読めないやつが。」


「そういうやつほど好きだったりするじゃん?

だからひかるも樹生に喋っちゃったりするんだよ。」


ふーん、なるほどね……