「美鈴ちゃん、呼んだ?」
「あ、うん!呼んだよー。
だって打ち合わせとか何にもしてないんだもん。
もうすぐアンコールだって言うのに。」
そんな話をしながらも
佐々木さんはもう仮帯を締めようとしてる。
「とりあえず今回アンコールは
1発目に歌うじゃん。
曲中に年明けて、曲終えたら
とりあえず当たった子をステージ呼ぶでしょ?
それが終わったあとね。
長曽我部さんにはハンドベル使って
次の曲にいく演出するって言ってあるから
じゃー次いきます、みたいな感じに言って
カウントとって。」
「ひとつ聞いて良い?」
「なに?」
「なんでアンコールで振り袖?
普通天使じゃない?
Angel's ladderだよ?
なんで和装なの。」
「さぁ?でもそれは長曽我部さんが決めたよ。」
「ふーん。そっか。
まぁいいけどさ。」
私のイメージとはちょっと違うなぁ……
「よし、できた!
次髪の毛やるよ!」
「はーい。」
ってことで椅子に座らされた。
「それと、ピアノももうバレバレだったから
そっちも演出で使うって話したから。」
「あ、そうなんだ。」
「それと、さっき隼也が入ったってさ。
関係者席。」
「え、そうなの?
あんな端っこなのにね。」
あんなところでいいのか。
まぁいいけどさ、別に。
「ギャルで良い?」
「あ、うん。いいよ。」
なんていうか
今日私が20時まで来なかったせいか?
佐々木さんとも佐藤さんとも
打ち合わせが出来ていない。
バタバタだ。


