居場所をください。




「あ、美鈴ちゃんお疲れさま。」


「……あ、お疲れ様です。

今日亜樹借りちゃってすみません。」


「あぁ、いいよいいよ。

あんなやつでよければこきつかってやって。

今日頑張ってね。」


「ありがとうございます。

お疲れ様です。」


来たのはまさかの

お世話になっているレコード会社。

亜樹のお父さんの会社。


まぁ、確かに施設から近いけど。

なんでここ?


なぜ貴也が私のIDカードを持ってるんだろ……


「あのー、イルミネーションは?」


「だからこれからだって。

まぁついてこいよ。」


……なんだそれは。

ここは会社だよ?

社長はさっき帰ったよ?

私これから仕事だよ?


……ここにいったい何が

あるって言うんでしょうか…


「あ、エレベーター来てる。

ラッキーだな。」


いや、まぁそうなんだけど。

だからどこに行くんだよって。