居場所をください。




「ねぇ、貴也。」


「なに?」


「今年もいっぱいありがとね。」


「は?なにそれ。」


「貴也のおかげで今年も一年

とっても良い年だったよ。

私のところに戻ってきてくれて

一緒にいろんなこと乗り越えてくれて

私の彼氏が貴也でよかったよ。

だからありがとね。」


「……美鈴らしくねー。

でも、それなら俺こそありがとな。

待っててくれて、毎日

俺の面倒見てくれて。」


「はは、どういたしまして。」


「来年もよろしくな。」


「こちらこそ。」


この寒い中、手袋もつけずに

私たちは手を繋いで歩いていた。

この温もりがちゃんと伝わってきて

ちょっとくらいの寒さなら

全然へっちゃらだから。


「あ、ここ。」


「……え?え、ここ?」


「ほら、これ使えよ。」


…………あれ、イルミネーションは?