で、みんながやってたテレビゲームは
コントローラーを4つにして
みんなで対戦!となったのに
私はお呼びでなく、貴也が引っ張られ
私はまさかの観覧席。
「ねー、美鈴ちゃーん。
自転車買って~。」
「自転車?」
「こら、結奈。
そういうわがままは言わないの。」
中学3年、年頃で
あまりリビングへは来ない結奈が
わざわざここに来て、まさかの私へおねだり。
もうすぐ高校生でほかにほしいものなんて
いっぱいあるだろうに
私に自転車をおねだりしてくるあたりが
なんとも施設っぽいというかなんというか…
「でも自転車は何台かあったじゃん。
あれじゃダメなの?」
「だってあれブレーキうるさいし
絶対もう寿命だもん!」
「でも自転車なんて乗る?
どこにでも歩いていけるじゃん。」
「そりゃ美鈴ちゃんは一高だったし
歩いていけただろうけどさ
私は荒高志望だもん。電車通学するより
絶対自転車の方が安上がりじゃん。」
「なるほどねぇ。」
まぁ確かにあの自転車は
なかなかの年数たってるよなー。
「……よし、じゃあ買うかぁ。」
「本当!?」
「うん。贅沢品でもないし
あれ劣化ひどいもんね。ギコギコいうし。
ま、ちょっと遅いクリスマスプレゼントってことで
年明けにまたくるから、みんなで行こ。」
「やったね!美鈴ちゃんまじで神!」
「いいの?美鈴。」
「うん、いいよいいよ。
ママは気にしないで。」
ここ、助成金打ち切られたっていってたし
ならなるべくできることはしてあげたいしね。
……でも、お年玉は前より削減だな。


