居場所をください。




私たちはトマト鍋のお店に入った。


「えートマトー?」


温かいトマトは苦手だ。


「ここのはうまいから大丈夫。」


「なんだその自信。」


長曽我部さんは私を無視して

どんどん頼んでいた。


「美鈴にこれやる。」


「……………前髪ウィッグ?」


「そ。美鈴の場合髪色でバレるから。

それで隠せば金一色になるだろ。」


「なるほどね。

帰ったらつけてみる。」


「おう。」


「ってかさぁ、私サインとか書けないんだけど。

なんか考えてよ。」


「俺がかよ。まーあとで考えとく。

それより夕方の生、中継だけど

仕事入ったから急いで食えよ。」


「えぇ!全然時間ないじゃん!」


その後運ばれてきた鍋を

私たちは急いで食べた。