居場所をください。



『殻に籠った者たちよ

今こそ殻を破るとき』


貴也がいなくなって、

辛かった私が書いた歌詞。

親をなくした貴也を

奮い立たせた歌だけど

今は昔の私に贈りたい、そんな歌。


長曽我部さんと出会う前の私に会えたなら

未来は明るいものだと伝えてあげたい。

そんな意味も込めた、

ライトも当たらず歌い出す演出。

暗闇にひとりぼっちだった私は

たったひとつの光によって

こんなにも多くの人に囲まれるようになったんだ。

ここだけは、この場所だけは

誰にも譲りたくないんだ。


「美鈴ちゃーん!」


そんな声を浴びるほど聞いてから

私はイヤモニを装着して

同時に、次の演奏が始まった。


今日も無事に幕が上がったね。