車に戻ると
佐々木さんは後ろに大荷物を乗せ
しっかり私の振袖も乗せていた。
荷物持ちは佐藤さんももちろんしていたわけで
それなのに私だけが自分の荷物だけを持ち
車のドアも開けてもらい、
最初に乗り込む始末。
どこぞのお嬢様なんだ。
「よし、とりあえず美鈴ちゃん
これお弁当ね。
で、佐々木んのはこっち。
美鈴ちゃん優先だから余り物だけど。」
なんだそりゃ。
私そっちでもいいけど。
「15分もあればつくから
それまでに食べ終えて。」
「えぇ!?」
「とにかく時間がないから
今日は早食いで頼むよー。
出発するからねー。」
……15分って。
私が食べるの遅いの
知ってるくせにさ。
「今回のライブはなんか
お客さんとの一体感があって
楽しくていいよね。」
もうすでに渡された残り物のお弁当を
佐々木さんが食べ始めていたから
私も急いでお弁当を開けた。
お、お!!サバじゃないか。だいすきだよ。
「美鈴ちゃんもお客さんと
絡むような合いの手を出させるようになったしね。
これかれどんどん慣れていくよ。
美鈴ちゃんも、お客さんもね。」
「まぁなるべくみんなの声聞きたいしね。」
いつか、会場全体が
同じ動きをして、同じ声をあげるくらい
一体感を大切にしていきたい。
楽しかったと思ってもらえるように。
"全員が笑顔で帰れるように"
それが私のモットーだから。


