「んーと、とりあえずメイクして髪型ね。
着付けは最後!
着付けたあとは声出しするんだって。
さっき歌の先生がここに訪ねにきたよ。」
「あぁ、そうでした。」
水木先生もわざわざここまで
足を運んでくれたんだ。
忙しい人なのね。
「今日は気分でカラーメイクね。」
「え、気分なの?佐々木さんの?」
「だって派手なのがいいんでしょ?
さっさと目を閉じてー。」
さっさとって……
なんなのかな
私と一緒に仕事してる人たちは
口が悪い人が多いな、まったく。
……人のこと言えないけど。
「うわー、これ初めて使ったけど
発色やばい。」
人が目を瞑っておとなしくしてると言うのに
この人は楽しそうに笑ってるし。
なんかちょっと人の顔で遊んでませんか?ねぇ。
「ちょっと目開けて。
……うん、いいね。また閉じてー。」
私も鏡みたい。
完成まで見せてくれないのか。
発色って…いったい何色なんだか……
「まつエクつけたばかりだけど
今日もツケマするよー。」
はい、なんでもいいです。
まぁ佐々木さんに任せて
変になったことなんかないから
信用しているけどね。


