居場所をください。




「まずステージからね。」


ドアをまた開けると

今度は会場へと繋がっていて

会場内もちゃんと明るくなっていた。


「おー、見事に真っ白。

いい感じでしょ。」


今回のライブのテーマは天使。

なのでステージは全体的に白で統一した。


「ドライアイスは明日確認してね。

それとライトも明日かな。

もう担当の人がいなくて。」


「…ちょっと、席に座ってみてもいい?」


「いいよ。」


私はライブ前に必ず

一番遠い席から音響チェックをする。

もちろんそれは明日もするけど

今日は最前列から見てみたかった。


ステージにいる私からは

お客さんの顔まではっきり見える。

とても近くに感じる。


それが、客席からもそう見えるのか

見てみたかったから。


「ね、佐藤さんステージ上ってみてよ。」


「え、ここから?」


「うん。」


結構な段差はあるけど

佐藤さんはしぶしぶステージへと

頑張って上がってくれた。


「ここでいい?」


「うん。」


客席から見るステージは

思ったよりも遠いものだ。


「……いいよ、ありがと。

外行く。」


「うん、わかったよ。

じゃああっちからね。」