居場所をください。




「な…早く行きなよ!

なにのんきに座ってんの!」


私は座っていられなくて

思わずその場に立ち上がって、

瞬の腕を掴んだ。


「いや、でも仕事中だし…」


「あんたねぇ、自分の子供の誕生と

命懸けで出産に挑んでる奥さんより

大事な仕事なんかないでしょうが!!

早く立つ!

子供を大切にしないやつはここから追い出すよ!」


「美鈴ちゃ…」


「そうだよ。

瞬がいなくたって私たちでなんとかなるし。

それにそんな集中できてない瞬がいても

足手まといなだけだよ。

早く行きなよ。」


とユリ姉も背中を押して

瞬はやっと立ち上がった。


「ほら、さっさと行く!

長曽我部さんには私から言っとくから。

その代わり、明後日のゲネプロには

ちゃんと来てよね。

私たちは私たちでちゃーんとやっとくし、

明日も休みなよ。」


「いや、でも…」


「だってさぁ、上の子は

お姉ちゃんになるわけでしょ?

パパを独占できるのも

きっと今だけだしね。


ほら、早く行きなさい。

私、子供を一番に考えない親は

この世で一番嫌いなの。

練習休んだからって

ギャラ削減したりしないしね。」


「……また連絡するから!」


瞬はそういって、倉庫を急いで出ていった。