居場所をください。




━━翌日


「よし、完璧。キレイ。」


「そんな気合い入れなくても」


毎週、必ず換気扇や網戸など

細かいところまで掃除してるから

そんなに汚れてるわけでもないけど

でも昨日貴也から見せてもらった台本には

今日来るメンバーの中には

きれい好きの芸人さんの名前があったから

やっぱりきれいにはしたくなるもの。


「でも家に何を撮りに来るの?」


「普段の生活的なの。

飯作ったり、風呂入ったり

家での仕事の様子だったり?」


「ふーん?そうなんだ。

オンエアいつー?」


「来月中旬。」


「へー。」


うちなんか撮っても面白くないと思うけどね。

しかも貴也ってあんまり家で仕事しないし。


「そろそろ行かないと間に合わないんじゃね?」


「あ、そうだね。行こ!」


とりあえず、この髪の毛の反応が楽しみ。

お昼には昨日下書き保存しておいたブログも

ちゃんと更新しよう。


「貴也、写メ撮ろ。」


「はいはい。」


この広い玄関に、大きな全身鏡。

毎朝ここで一緒に写メを撮りたいと

この鏡を選んだのに、

なかなか撮る機会がないから

こういうときにね。


「あ、なんか髪の毛の色一緒じゃない?」


「あー、そういやそうだな。」


ふふ、偶然だけど

そんなことすら嬉しいよ。


「行くぞ?遅刻には厳しいからな

長曽我部さんはとくに。」


「そうだね、行こ。」